夜の街

タクシー運転手さんにトップドライバーの秘訣を聞いてみる。


最近タクシーに乗ると、若いころと違って、景気の話や、運転手さんのドライバー歴、

過去の職歴、これまで乗せたお客さんのエピソードなどを話す事が多いのですが、

ある日、ふと、運転手さんに聞いてみたのです。

タクシー1「タクシーの運転手さんでも、ものすっごい稼ぐトップドライバーっていますよね?

その人達がそこまで稼げるのは何故なんでしょう?」って。

すると、その日の運転手さんは言いました。

「確かにいるねえ。 でもね、その秘訣なんてわからないよ。絶対話すわけないからね。」

あああ~ そうですよね。

タクシーはそれぞれが個人事業主みたいなもんだから、そんなの誰にも教えないですよね。

聞いた私がバカでした。

そう反省していると、運転手さんは続けました。

「でもね、これだけは言えるのは、とにかく太い客を持ってる事だよね」

ん?太い客?

ママ「そう。金払いのいい、頻繁に乗ってくれるお客さんの事ですよ。

例えば、どこかの社長の専属送迎とか、夜の商売のママとかね。」

はは~ん、なるほど。確かにそりゃ確実だわね。 ほぼ固定収入だ。


「例えばね、夜飲みに行ったりするじゃない。かなり通って、そこそこの常連になったら、

ママさんに営業かけるわけ。 長距離のお客さんいたら回してって。

そして、当のママやそこの女の子もタクシーで帰るわけじゃない?

それも回してもらったり、結構稼げるらしいですよ。」

ああ、そういう仕組なのか、なるほどなあ、と思い、

「じゃ、運転手さんも飲みに行って営業かけたりするんですか?」と聞くと、

夜の街「いやいや、私は行かないですよ。だって、そこまで要求するには、こっちが落とすお金も

相当な額ですからね。それに、今はアルコール検査もかなり厳しいから、

うかつに飲むと翌朝に残っちゃうんですよ。

毎朝会社で呼気検査があるので、そこで引っかかったら帰されちゃうんですよね。

だから、私はもう家で早い時間にビール一本くらいですよ。まあ金もないですしね(笑)」

 

今は昔みたいに豪快にお金を払ってくれる社長さんは本当に稀だそうで、

そんな方に巡りあうのは宝くじレベルの確率だと言ってました。

いつか当のトップドライバーに巡りあって話を聞ける確率も、

相当低いだろうな・・・と思いつつ、支払いをして降りました。

「地方のタクシー業界にアベノミクスなんて全然関係ないですよ」と言い切った

運転手さんの横顔が切なく心に残った一日でした。